2015/12/03
Loud Minority ー2020年オリンピックロゴ撤回問題の持つ恐ろしさー
今年も残すところ後1か月を切りましたが、
皆さまお過ごしでしょうか?
私は、忙しさと部屋の乾燥で体調が悪いです。
さて、先日、以下のような記事が出ていました。
ネットユーザーが選ぶ2015年ワースト謝罪ランキング職業柄、気になるのが3位の、「東京五輪エンブレム撤回問題」。
多くの専門家が指摘していらっしゃるように、
どう見ても著作権法違反とは思えない案件だと思います。
(類似性も疑問がありますし、依拠性の立証などできるはずもなく、
そもそもパラリンピックロゴとの組み合わせを考えると、パクる方が無理があります)
説明の態度やその他佐野氏の他の作品の問題とをひとまとめにして、
五輪エンブレム自体も問題があるものとして認知されてしまったように見受けられます。
これは、すごく怖いことだと思うのです。
専門家の意見や真っ当な法律論がスルーされて、
加熱する世論だけで対応が決まっていく。
そして、そのような世論に配慮したがために、
逆に不合理な認識が、正当性を持ったかのように認識が形成されていく
結果、巻き起こったのが、
ネットや個別の嫌がらせといった世論による「私刑」です。
このような私刑を容認してしまう事や法律上なんら問題のないデザインに敬意を払えない知財リテラシーのなさこそ、
日本の恥だと思います。
そして、専門家からの情報の発信が世間に受け止めて頂けなかった現状を
弁護士・弁理士は重く受け止めるべきではないかと考えています。
そこで「佐野氏の2020年オリンピックロゴ自体には著作権法上の問題がある可能性は極めて少ない」という事を
重ねて主張していく必要があると考えて
本日のブログ記事とさせていただきました。
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